41才の中学2年生
[何だこりゃ?小さくなってるぞ!](1/1)
いつものように駅に向かい、改札を抜けてホームで電車が来るのを待つ。


そしていつも満員の電車に乗って、痴漢に見間違われないよう、両手でつり革に掴み、鞄は上の棚に置いておく。


こんな事をかれこれ20年近くやっている…


見慣れた風景、いつもの様子。

マンネリ化してるのは当たり前。


だが、何故か今日はいつもと雰囲気が違う…


何故だろう?さっきまで家で妻と娘と一緒に朝食を摂って、妻の運転する車で駅まで着いたのはいいのだが…

はて、何かおかしい。


何て言うか、いつもの風景なのだが、ちょっと変だ。


【お前はもういっぺん中2からやり直すのじゃ…】


「えっ?」


ふと周りを見渡した。

誰か今、オレに話しかけてこなかったか?


何だ今の声は?


疲れているのだろうな、そう思って改札をくぐり、ホームで電車が来るのを待っていた。


…あれ?いつもホームで電車を待ってる人達が何て言うか、大きくなっているような…


いや違う、いつもの風景だが、目線が少し違うぞ?


…オレこんなに低い目線だったか?


【ウワッハッハッハッハッハ!お前の身体は成長期の頃に戻っているのじゃ!】


「誰?」


またさっきと同じ声がする…


誰だ一体?オレはまた周囲を見回した。


「あれ?なんか変だぞ…」


ホームで前に立っている乗客、確かこの人、オレより背が低かったはずなのにオレより背が高くなってる!


いや、この人だけじゃない、横にいる人も、後ろにいる人もオレより背が高い!


えっ、何で何で?


【だから言ってるだろ、お前の身体は中2に戻っていると】


「さっきから誰なんだよ!」
オレは周りを見回し、思わず声を上げた。


【何さっきからブツブツ言ってるんだろ、あの子…】


【ちょっとおかしいんじゃないか】


【何だあのガキ、さっきから独り言ばっか言って】


え?何だって?


オレはふと自分の足元に目をやった。


「へ?何じゃこりゃ?」


ブカブカの革靴にダブダブのスーツ…


「オレ、小さくなってる!」


何で何で?ねぇ、どうして?




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