大っ嫌いなあいつに、奪われた
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………ッ!!!」



ガバッと勢いよく起き上がった

額に前髪がへばりつくほど、汗をかいていて


カーテンから差し込む光が、
朝が来たことを示していた


雪人からの電話を切ったあと
どうやって、何時に、寝たのか、
……よく覚えていない




「はぁ……っ、夢、か」




肩を上下に揺らし乱れた呼吸

………随分と、リアルで、嫌な夢だった




……何が、このままじゃ嫌、よ」




『聞いて欲しいことがある』

『俺は、このままじゃ嫌だ』



遅いよ、遅いんだよ……ッ、


もう、過去なんて、いいから

もう、傷つきたくないから、



……そう思っても

この奥に秘めていた、気持ちは

嘘をつけない、のかもしれない


隠し通すことが、できたとしても。




「どうしろ、っていうの……




一旦突き放したくせに、

本当、自分勝手すぎるよ












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