大っ嫌いなあいつに、奪われた
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高校二年生のクラス替え

一年生の時から
仲良かった美咲とも同じクラスだった

名前順じゃつまんない、って言う理由で
担任がすぐに席替えをした




席替えをしても
すぐに移動できる距離で
早く席についてたあたしは本を手にしていた





……佐原、紗雪?」



「え、っ?」



本に集中していたあたしは
ふと名前を呼ばれ、顔を上げると



女の子に黄色い声を浴びていて
学校中の注目の的、と
噂に聞いていた



綺麗な顔立ちの、あいつが立っていた






「一条雪人です。

同じ同士だし、よろしく!」



「ふはっ、よろしく」



ニカッと笑う雪人の笑顔が眩しくて
思わずあたしまで笑みがこぼれた





女の子にちやほやされてて
クールぶってんのかと思いきや


………そんなことなくて。




「今日コンビニ行ったら
紗雪っていう
お菓子あった気するんだけど……


「ははっ、あれね、
似てるけど名前違うじゃん、ばーか」








冗談を言い合うくらいに仲良くなって、



いつの間にか、特別な存在になっていた








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