緋龍と(1/17)
時計が12時を回った頃。
ノロノロと中庭に向かって私は歩いていた。
めんどい、ダルイ。
中庭とかこの時間暑いだろ……。
昼休みに入って少し経ったためか、廊下は生徒で溢れかえっていて歩きづらい。
それに加えて、いつも通りの視線を浴びながら歩くから余計にイラつくし、中庭なんかを指定した馬鹿を今すぐハッ倒したいんだけど。
何かと問題児と結構有名なせいで声はかけられないものの、ウザイ。
視線と人の波を抜けて、やっと中庭に面する廊下へとたどり着く。
この学校は上履きなんてあってないもので、履き替えるやつなんていない。
だから、開け離れたドアからそのままキラキラと太陽を受けて輝く芝生へと足を踏みいれた。
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