そして少女は旅に出る
[少女が出逢った人](1/5)
「この部屋が空いてるから使ってもらって良いし、布団あるしクーラーあるし…
あ、一応掃除機あった方が良いな。」

優吾さんに通された部屋は小さな和室だった。
私自身、和室や布団が久しぶりでそれだけでテンション上がった。


「これぐらいで良いだろ。
じゃあ俺は夜ご飯作ってくるからゆっくりしてていいよ。」

「え、そんな…私もお手伝いします!」

「いいって。人に作るの久しぶりだし…
あ、あれだったら掃除機かけといてもらって良い?」

「それは良いですけど…」


お手伝いしたいと思ったけどやっぱり私がいると邪魔なのかな…と私はちょっと思った。
だが優吾さんは続けてこう言った。

「美味いもの作ってやるから待っててな。」
優吾さんはやっぱり優しい人なんだな…。



台所に行く優吾さんの背中を見ながらそう思った。



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