そして少女は旅に出る
[少女が決めた道へ](1/7)
荷物は必要最低限のもので良い。

着替えは2泊分。財布と……他には何かいるか?あ、音楽プレーヤーも持っていこ。

ちなみに携帯は置いていくつもり。
つまり母と父には内緒で行く。
そうしないと絶対止められて夏休みなのに家から出してもらえないかもしれないから…


その代わり私は手紙を書くことにした。
「お父さん、お母さんへ。
急にこんな手紙ですみません。
私は夏休みの間、旅に出ることにしました。
でも必ず強くなって夏休み中には戻ってきますので帰るのをどうか待っててください。

ありさ。」

これで良いだろう。
あ、奈央さんにもメールしとこ…

「奈央さんへ。
いよいよ今日から私は旅に出ます。
携帯電話は置いてくので連絡は取れませんが必ず幸せを見つけて帰ってくるので待っていてね。
帰ったらたくさん遊びましょ!
行ってきます。

P.S. 母と父に何か言われても知らないとだけ答えといてください。お願いします。」

そう書いて奈央さんに送った。
そして返信を待たずにすぐに携帯電話の電源を切り、鍵付きの棚のところへ閉まった。

手紙も机に置いたし…よし。行くか!


ちょうど母と父は仕事で2人ともいない。絶好のチャンス。
小さい頃はお手伝いさんもいたが今は私が高校生になったからお手伝いさんもいない。

なので意外とあっさり出られた。




夏休みの午後5時。
旅はついにスタートした。



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