悪魔のようだった父と最低人間だった僕
[幼少期](1/5)
僕の家は父と母。そして二つ違いの妹が暮らす四人家族だった。
父は大卒にも関わらず、定職にもつかず、サラ金、親戚、友人から借金を繰り返してギャンブルと女遊びに明け暮れた。
そしてギャンブルに負けると必ず、牛革の太いベルトを手にして僕と妹をミミズ腫れができるまで打ち続けた。
この行為は父にとって、ストレスの発散ともうひとつの目的があった。身体も心も病弱だった母が父の暴力を止める手段はひとつしかなかった。
父が僕たちに暴力を振るうたびに母はパートでコツコツ貯めた生活費を渡していた。
とうぜん僕たちの暮らしは信じられないくらい貧乏だった。
食卓におかずが並ぶのは稀で、毎日のように家畜の餌に使うような最低ランクのクズ米にマヨネーズをかけて飢えをしのいでいた。
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