ずっと空の下で
[第3章](1/9)
辺りを見渡せば、そこは明らかに江戸時代

街ゆく人たちは、色とりどりの着物を着て行燈を下げている



(ほっ本当に、幕末へ来たんだ)


実感が沸けばその分、言いようのない不安に取り憑かれる



呆然と立ち尽くす奏蘭の背後から、ふと低く力強い声が聞こえた


「てめぇが高田ってやつか?」


「榮倉から話は聞いているだろう?土方だ」


振り返ればそこには、精悍にも綺麗に整った顔立ちを不機嫌に歪ませる、黒髪の男が立っている



(この人が土方歳三
ついに、わたしの幕末生活は始まってしまうんだ)



緊張が高まる中、奏蘭はふと、ある違和感に気がついた


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