隣人はクールな同期でした。

  ...*..[傍にいたいと思いました。](1/30)

アタシの事もだけど
煌月の事も気に掛けていて
陽向さんの“思い”を知り
心配してくれてる気持ちが
少し、嬉しかった。

恋愛とか別としても
そんな優しさは
この人の良さであって
好き…なところだ。

あくまで
恋愛とは別の意味だから。


「今日はさすがに休んだほうがいいな。
 ドライブと飯は
 また今度行くか」


気を使ってくれたのか
彼はそう言って
アタシをマンションまで送ってくれた。


「はぁ…」


エレベーターに乗り込みながら
もう何度目かの溜め息が零れる。


帰ってきたはいいけど…
なんかイヤだな…。


昨日の煌月とのやり取りや言葉1つ1つを
ふと思い出してしまい
また胸が締め付けられる。

アタシが最初から土足で踏み込まなければ
アイツはもう少し楽だったかもしれない。

早乙女さんとは向き合ってもらいたかったけど
口を挟むべきではなかったのかもしれない。

何が正解だったんだろ…


ただただやりきれない思いだ―――




煌月とも早乙女さんとも
それっきりで
またしばらく顔を合わせる事もなく
煌月がマンションに帰ってくる事もなかった。



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