この想い君に届け
[番外編〜昼休み〜](2/3)
〜先輩side〜
昼休みクラスの友達たちとご飯を済ませると立ち上がった
「──じゃ、
すずんとこ行ってくるわ」
ご飯終わって一年生の教室へ鈴に会いに行く───もうこれは毎日の日課になっていた
「ほんっと、お前らあっついわ〜」
「毎日毎日飽きないねー」
「すずちゃんによろしく〜」
うるせ。
飽きる訳ねーだろ
よろしくってなんだよ
つーか、すずちゃんなんて呼んでんなよな
すずって呼ぶのは俺だけなんだけど
「ラブラブだかんなっ
羨ましいだろー!」
ウゼー、さっさと行け、と後ろから声が聞こえたけどシカトした
──もう食べ終わった頃かな…
「す〜ず、ご飯終わった?」
鈴の教室に着いて声をかけてみると、既に食べ終わっていて、すぐに出られるように待ってくれていた。
鈴の中でも俺と過ごす昼休みが日課になっているんだなーって思うと──くすぐったい気持ちになり口もとが緩んだ
そして鈴の友達に挨拶をして教室を後にした
向かった場所は図書室
残りの昼休みは短い時間だけど、図書室だと落ち着いて話が出来るから、だいたいはここで過ごす事が多い
「すず、座る?」
「座ります」
俺の左側に座っている鈴の方を見る
「すず、今日四限
体育だったでしょ?」
「体育でした」
「サッカーやってたでしょ?
教室から見えた」
窓際の席でまじで良かった。
それに加えて今日は自習だったからじっくり見られたんだ。
あ、ちょっとストーカーっぽいな…まずいまずい
「見えたんですか」
「うん、俺、すずの事は
すぐ見付けられるから」
本当、すぐ探せるんだよ
「…そ、ですか」
鈴が少し、ソワソワし始めたように感じて可愛いなぁって思ってしまう
「──転んでたね、大丈夫だった?」
きっとこの事を気にしているのかなぁって
「…それも見てたんですね…」
──やっぱりね。
鈴は顔を赤くして、その顔を見られないためにか机に突っ伏してしまった
何なに?照れてんの?
めっちゃ可愛いんだけど…
ふっ、と緩んだ口もとから笑みがこぼれる
「でもすぐに立ち上がって走り出したから安心した、
ほんっと真面目だよね、すずは。
─えらい、えらい」
俺も、机に体を預け鈴の方を向き…未だ顔を隠していて頭しか見えない鈴の髪をそっと撫でた
──髪…サラサラ。気持ちいいな。
鈴はピクッと反応した
ゆっくりと、こっちを向いた鈴と目が合うと、鈴が赤い顔を更に赤くして
‘‘恥ずかしいです…’’
なんて照れているから…
──っは?
その照れ顔は反則でしょ?
ちょ、今、呼吸忘れてたんだけど…
「…かぁーわいっ」
これは…破壊力ありすぎだ!
いやもう、ダメだ。
…これは本当にダメだ。
鈴のサラサラの髪の毛を少し乱暴にわしゃわしゃってした
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