彼はカレの友達
[1週間ぶりの我が家](1/13)
「沙耶、階段上れる?」

「ゆっくりなら。」

「沙耶んち行っていい?」

わたしの部屋、怪我した日以来だ。

「いいですよ。」




アパートの駐車場に停まった車から降り、階段へと歩いていく。

階段の前に行くと、潤くんがわたしの右側に立ち、わたしの腰に腕を回しながら、

「俺に掴まって」

って言うから、右腕を潤くんの背中に回す。

ゆっくり、ゆっくり階段を上がり始める。

「あ。」

「どうかした?」

「うち、何もありませんよ?」

「いらないよ、何も。早く上がろう。」

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