彼はカレの友達
[カレの何を信じれば…?](1/38)
買い出し当日、アパートの駐車場で待っていたら、佳樹先輩が黒のスポーツカーでやってきた。

わざわざ運転席から降りてきて、

「どうぞ。」

助手席のドアを開けてくれる。

「ありがとうございます。」

シートに乗り込むと、ドアも閉めてくれる。

「じゃ、出発します。」

ニュートラルに入ったギアを1速に入れ、車はゆっくりと発進した。

「ところでね、1つ、問題があるんだよね。」

「なんでしょう?」

「この車、荷物乗るかな?」

後ろを見る。

後部座席がない。つまり、ツーシーター。

「載りきるかな…ま、載らなかったら往復すればいいね。」

「…はい。」

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