何度でもあなたに恋をして
[斎藤一](12/12)




それから数日後





「はぁはぁ……はぁはぁ……。」




咲は誰かを追って町中を走っていた





「はぁはぁ……!っ!待って一くん!!」




そう、それは斎藤だった



咲は昼頃試合を斎藤としようと思い斎藤を探していたのだが見つからず部屋に行ったら荷物も何もそこにはなかった




だから、咲は慌てて走ってきたのだ




咲に呼ばれた斎藤は振り向く



「ーーー……咲……。」




「よかった……。追い付いて……はぁはぁ……。」



「すまない。何も言わず出ていってしまって……」



申し訳なさそうに眉を下げる斎藤




「一くん……どうして……?」



「……咲



お前たを見ていると羨ましくなる……。何事にも一生懸命に突っ込んでいくお前たちが……



だから、俺ももっと強くなりたいと思ったんだ。」



「でも、どうして、何も言わずに……」



「別れが辛くなるだろう……彼処は居心地が良すぎるからな。」



そう言って斎藤は少し微笑む



それを見て咲は頬を緩める




「そうだね。一くん今でも凄く強いのにそれ以上かぁ。私も頑張らなくちゃ」



と、ニシシと笑う



「お前は今以上に強くなったら敵うものがいなくなるのではないか?」




「そんなことないよー」



斎藤は本当のことを言ったのだが咲は冗談として捉えてしまったようだ



「ん。皆には私から説明しておくから、頑張ってね一くん!」



「あぁ。すまない咲。またな。」



「うん。また会おうね」




そして斎藤は前を向きまた歩き出した


咲は暫くそこから動かず斎藤の背中を見つめていた




嗚呼…



一くんも頑張ってるんだね。



また、会おうね一くん……



その時はお互いもっと強くなって会おう






そして、咲も後ろを向き試衛館へと帰っていった






また会えると信じて……













でも、まさか



あんな再会をするなんて



この時は夢にも思っていなかった…











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