アイリス
嘘でしょ?(1/18)
文化祭が終わると少し肌寒くなった。
あんなにギラギラしてた校舎内が嘘だったかのように虚しく見える。
「聞いて!昨日流れ星見たの!」
「…へー!」
目を輝かせてそう言うのは千代。
ポニーテールが犬の尻尾みたいにゆらゆら揺らしてる。
「ね、太陽くん!」
「…あー、そーだな」
橘くんも一緒に居たみたい。
無愛想な橘くんは、顔を瀬戸たちに向けたまま返事をした。
水谷がいいなぁと羨ましがってる。
「オレも見たかったー」
「…案外簡単に見れるよ」
「そーなの?」
流れ星なんて最後に見たのは修学旅行だな。
流れ星ってか流星群っぽかったけど。
私もまた見たいな…
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ってガタガタとみんな座り出した。
私も席に戻って教科書とノートの準備をする。
確か次は古典だったかな。
「流れ星なつかしーな」
後ろの席からそんな声が聞こえた。
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