君の声
[救いの手](1/19)
(はあ、はあ………)
今まで動かしていた足を止める。息が苦しい。体中が痛い。
(ここ……中庭……?)
無我夢中で走ったつもりだったのに、どうして中庭に来ちゃったんだろう。私は近くのベンチに腰掛けた。
(今日は……どうしようかな…)
空を仰いで心の中で呟く。
このままいても、またあの女子たちに捕まったら嫌だし、かといって教室に行くのも嫌だ。顔を殴られたから、多分もう痣になっているかもしれない。
(こんなんじゃ、雪夜さんに会えないなぁ…)
そんなことを思いながら、私は目を閉じた。なんだか、すごく眠い。久々にあんなに走ったせいかな。
私は意識を手放した。
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