私に冷たい間宮くんはどうやら私を好きらしい。
[や](2/26)
9月下旬とはいえ、まだまだ夏らしい暑さが残っていたこの季節。
「この足でどこか行っちゃう?」
間宮「いや。少し休んでからにしよ」
「、?」
間宮「…無理しなくていいから」
「電車疲れとか気にしてる?一応まだ現役だし鍛えてるから大丈夫よ!」
間宮「それもだけど…まぁ、いいから休むよ」
間宮くんは昔からだけど、全部は語らない人。
そして私は、そんな彼の優しさに気付くのがいつも少しだけ遅い。
「荷物軽いし、大丈夫」
間宮「はぁ……本当はしんどいくせに」
「へ?」
間宮「…夕方までゆっくりしてもいいかなと思ったんだけど」
「え、でも、せっかく来たんだし、間宮くん暇になっちゃうし、」
間宮「俺のことはいいから」
無理しなくていい、という言葉の裏には
日差しに弱い私のことを考えて、ちゃんと見てくれている優しさがある。
加えて、しんどい時にまで人のこと気遣うな、という訴えも受け取れた。
単に口数が少ないのもあるかもしれないけど…
行動や態度で示してくれる彼の優しさは、いつも温かいと思う。
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