私は彼の所有物
[子宮の正しい使い方](1/25)




……ん」


重い瞼を開ける。
少しの寒さで目が覚めた。
私の視線の先に偶然ある時計。
白い壁に掛けてある黒いその時計は短い針が5、長い針が4の場所を指していた。


「うそ!」


思わずその場から飛び起きてしまう。


「あ、起きた?」


そんな声が耳に届いてきた。
その声の主を探してみれば純くんがいた。
優しい笑顔を私に向けている。


「おはよう」


まるで一夜を共にしたように囁かれたその言葉。


「お、おはよう
純くん」

「その様子だと約束に遅れそう?」

……う、うん
起きていたの?」

「俺早起きなの」


嘘か本当か分からないけど、眠たそうなトロンとした目をしている。
アハハっと笑いながら欠伸を噛み砕いた純くん。

周りを見てみれば鍋やお酒は綺麗に消えていて純くんと私しかリビングにはいなかった。
私の体には布団と毛布がかけられている。
雪さんから貰った服にシワがついてしまった。


6時にはあっちにつかなきゃ」


私は慌てて布団を退かしソファーから立ち上がろうとする。
その時足に何かが当たった。
布団から取り出してみればそれは湯たんぽだった。
今はもう暖かくはない。

寝てしまった私に湯たんぽを入れてくれるなんて、とても優しい人たち。
手の中の湯たんぽは冷たいけどその心遣いが気持ちを暖かくしてくれる。

私は布団と毛布を畳みソファーの上に置いた。
最後に湯たんぽを毛布の上に置く。


「学校まで一緒に行ってあげるよ」

「そんな悪いよ」


いつも優しい純くん。
その純くんの提案に勢いよく首を横に振る。
優しいからこそ、そこに甘えるわけにいかない。

でも純くんはクスッと笑った。


「ここからひとりで学校まで行けないでしょう?」


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