私は彼の所有物
[彼は写真にしか興味が無い](1/28)




「菜緒ちゃん、こっち向いて!」



指示され、カメラマンとカメラに目を向ける。
その瞬間にカシャっと音がした。

私の学校は、多くのデザイナー、スタイリスト
そして、写真家はたまたメイクアップアーティストを輩出。
その恩恵をうけ、機材などに困った事はない。
今も、プロ顔負けのスタジオで撮影を行っている。
純くんがカメラマン、私がモデル。



「可愛いよ、菜緒ちゃん」



恋人かと思ってしまうぐらい、さっきから純くんに褒められている。
中性的な格好から、純くんが作った綺麗な衣装に着替る。
メイクも綺麗にしてもらった。
着飾った姿でカメラを向けられるのは初めて。
いつもメイク無しの裸だから。



「ちょっと腕上げて……うんそんな感じ
そしたら、こっち睨める?」

「睨む?」

「あ!それ今睨んでる!」



またシャッター音が聞こえる。
私は素人丸出しでぎこちない格好をするだけ。
本当に綺麗に撮れているのかな?



「菜緒ちゃん、どこかで撮ってもらった事ある?」

え?」

「撮られ慣れてるって感じ」

「そんな事無いよ」

「今の困って微笑んだの可愛い」

「今、私笑った?」



自分が無意識に笑ったのを撮られたなら、恥ずかしい。
純くんは、小さく笑って頷いた。



- 15 -

前n[*][#]次n
/411 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]