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[Side Story ーMiyukiー](1/26)
私が彼の存在を知ったのは、
大学2年の春だった。
サークルのイベントでBBQを計画し、
バスを貸し切って山奥へ向かう。
「今日はM大学の人も来るらしいよ。」
友達の言葉にも、ふーん。と相槌をうち
窓にもたれかかる。
私は自他共に認める完璧な女だった。
幼い頃から頭脳明晰で容姿端麗、周りからチヤホヤされて育ってきた私は、不動産業界トップの父親の元でお人形のように可愛がられどんな我がままも許されてきた。
川沿いにテントを張る男子を眺めながら、夕食の材料を切っていると、
「こんにちわ〜!M大のサークルの者です〜!」
テンションの高い男達が話しかけてきた。
うるさいわね。と、心の中で思いながらも
「初めましてっ!」ーー笑顔でそう言えば、
「やばっ!かわいすぎる!」
「名前なんてゆーの?」
バカな男達はたちまち私の虜になった。
だけどーーーー
その男達の後ろの方で、私に見向きもしないでテントをバスから降ろしている男。
「おーい、ひろ!そんなん後でいーから自己紹介しろよー!」
ひろと呼ばれたその人は、頷きながらこっちへやってきた。
「初めまして。宮原ひろあきです、よろしく。」
なんともサッパリした自己紹介だったけど、
そんな彼から目が離せなくなっていた。
「…よろしくね!」
笑顔でそう言うも、私をチラッと見ただけで再びテントの準備にとりかかってしまう。
こんな男は初めてだった。
だからかな、私はきっとこの時から、
恋に落ちてたんだと思う。
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