あっ、あたし吉崎デス！
[クラスの吉田くん](1/2)
”ｷｰﾝｺｰﾝ…ｶｰﾝｺｰﾝ…”
くわぁぁあ！
やっと午前が終わった～。
やっとお昼だ～！腹へったぁ！
「心音、購買 着いてきてよ」
あたし弁当あるけど
お腹すきすぎて死にそうだし、
「しゃあない。着いていってやろう」
「お前何様だよ」
…
「ごめん、お待たせ凛ちゃん。」
「は～？あんた弁当あるんじゃなかったの！？」
「いーのいーの」
だってお腹すいたんだも～ん。
焼きそばパンも、クロワッサンも、メロンパンも
全部美味しそうだし、
迷うくらいならぜーんぶ食べたいし！
”ドンッ”
「…ってぇ…っ」
「ちょ、凛ちゃん大丈夫！？」
誰！？
人にぶつかったんなら
謝るのか礼儀だろーよ！
何、倒れたままで居るわけ！？
顔見せろよ！そして凛に謝れよー！！
…
あ…。
「ごめんなさい。大丈夫？」
理沙だ。
「あ～、あたしは大丈夫。あんたこそ大丈夫？手貸そうか？ちゃんと前見て歩けよ」
あら、珍しく優しい凛様。
「うん。ありがとう」
てゆーか、理沙って子の顔
しっかり見たの初めてかも…
相談室で見たときも、入学式の帰りも
チラッとしか見てなかったし
ほんとに美人さんだな…
さすが角田先生の従兄弟の子供だ！ ウンウン。
「おい。行くよ！」
「あ、うん！てか本当に大丈夫？
かなりの勢いで尻もちついてたよね」
「そりゃあ、あんな勢いでぶつかられたらね～…てか、心音 あいつのこと知ってる？」
「今の子？し、知らないかな」
顔は知ってるけど…あと名前が理沙ってことぐらいだし…
「あ、な、なんかすごい可愛い子だったね！」
「あいつ、留年して、1年ダブってるらしいよ」
ぬぉ！？
衝撃的な事実！！
「え！？どーゆーこと！？」
「なんか身体悪いらしくて1年の時しょっちゅー入院してたんだってさ。彼氏に聞いたー」
留年ってことは、本当だったら高２ってことだよね？
まじかー。
入学式２回もやるってどんな気分なんだろ！
てか…
ちょっとまて。
「カレシぃ！？！？！？！？」
「あれ？言ってなかったっけ！あたし一個上に彼氏出来たんだよーうふふふふ！」
あの男に全く興味持ってなかった凛が
彼氏ですとー！？なんですとー！？
「なんでその顔で彼氏が出来て
あたしに彼氏が出来ねんだよ！？おい」
「なんだよお前。失礼だな。祝えよ」
た、確かに凛はすごくスタイルが良くて、顔もちょー整ってるけどサ。
髪短いし、クールだし、面白くないし、うざいし、生意気だし、
「おーい！心音、お前悲惨な顔してる！」
そりゃあ、悲惨な顔にもなるわ。
凛に彼氏が出来てしまったよ。
クッソー！！！
教室着いたし、クラスでイケメンでも探すか。
昨日までずっと角田先生のこと想ってて
男子と喋ってないし
まず、顔すらも見てないし。
ちょっとひとりずつ見て回ろうっと！
”じーー。”
「あの、なに？さっきから」
こいつは馬みたいな顔してんな～…パス！
”じろじろ。”
「何か？」
なにこの勉強オタクみたいな奴！…パスッ！
あいつも、あいつも、あいつも…
「クッソ！！！このクラスにイケメンなんて一人も居ねえ！！！！」
うわっ！ついつい声に出してしまったよ。
あ～、睨まれてる…あたしクラスの男子に睨まれてるよ～…
「いいから黙って食えよ。」
凛様…わかった…食うよ…
”むしゃむしゃむしゃ”
”もぐもぐもぐ”
「吉崎さん、よく食べるね！」
！？
誰だ！？
背後から声が…
…
をぉ！？
なんと！
イケメン！
いるじゃん！！
あたし、こいつの彼女になりた…
「関取みたいだね！」
…い。
は？
「あはははは！」
「ちょっと凛ちゃん何笑ってんの！！…ちょっとあんたねぇ！女の子に向かって関取なんて言うなよな！どこのどいつだテメェ！！」
「俺？吉田 駿河(よしだ するが)吉崎さんの後ろの席だよ。」
後ろの席！？
…
「あ～あたし、人生も普段の生活も前しか見ないんで、吉田くんの存在気づきませんでしたー！
てか、気配とか無いっていうかー、存在感ないよねーあなたー。レディーに失礼なこと言う時点で…」
「駿河くーん！！…キャーこっち見たあ！」
！？
なにあの沢山の女子たちは！？
吉田くんに振り返られただけで
発狂して
立ち去って行った…
「俺の存在感が何って？ごめん、あの子たちがうるさくて聞こえなかった…」
「あ、いえ…あの。」
もういいこいつは。関わらないでいよう。
なんか嫌味だし。
凛さん！！あなた何ニヤニヤしてんだよ！！
「あー、あんたが圧倒されてんの見るの楽しいな！
いつもそのアホみたいな性格で圧倒してる側なのにな！ははは！」
そういうことね…。ふっ
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