グリム荘の住人は頭の中が”おとぎの国”だった。



#3人の囚人と頭巾の少女(1/9)




場所は変わり。


グリムプリズンからそこまで離れていないとある森の中。


そこに1人の男と2人の女が切り株に腰を下ろしていた。



3人共、誰もが知っている有名な童話の主人公である。


青髭「ははは。まさか本当に脱獄できるとは....いやはや、流石ですな。マレーン姫よ」


黒スーツに黒いハット、真っ青な長い髭を揺らしながら優雅に紅茶を嗜む男。


過去、何人もの女性を虐待し殺害してきた連続殺人犯。

懲役・145年。


青髭


マレーン「超余裕つーか、私7年も塔の中に幽閉されてたっつーか?ラプンツェルのバカとは違うっつーか」


色白の肌に美しい輝きを放つ髪。

キラキラと少女漫画の主人公の様な瞳で嬉々として話す女。


過去、7年間石の塔に監禁され気が狂ってしまった”元”プリンセス。


マレーン姫



そして


身体中包帯でグルグル巻きにしながら

微かに覗く瞳で2人を睨み付ける下半身が魚の女。


最愛の王子を殺害しようとして捕まり火炙りの刑を受けた過去を持つ悲劇のヒロイン。


マーメイド


この3人はグリムプリズムを奇跡的に脱獄し、行き先を探していた。


マレーン「ってか、マーメイドも何か話せっつーか」


マーメイド「・・・・・・・・イヤダ」


青髭「はっはっは。無理を言っちゃあイカンよ、マレーン姫。この子は過去に炎で喉を焼かれ声をほとんど発せなくなってしまったのだから」


マレーン「ってか、お前担いで走るの超ダルかったっつーか?これからどうすんだよお前」


マーメイド「・・・・・・・ダイジョブ。マホウデ、アシ、ツクレル」


直後、マーメイドの尾ひれが輝き人間の足に変化した。



青髭「はっはっは。便利な事だな。さて、ではこれからどうするかね?若き娘お二人さんよ」


マーメイド「・・・・・・・・マカセル」




マレーン「そうだなぁ、つーか腹減ったっつーか?」


まずは、飯を食おう



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