グリム荘の住人は頭の中が”おとぎの国”だった。



#201号室・ヘンゼルとグレーテル(1/7)




ある日の事。




ピンポーン。


オオカミ「は〜い。どちら様ですか.....ってアレ?」



ヘンゼル「ど、どうも....こんにちはでしゅ」



オオカミ「ヘンゼルじゃねぇか。どした?」



ヘンゼル「実は....ちょっとお誘いがありまして」



オオカミ「・・・・・・・・?」














ーーーその頃。


同時刻・魔女の屋敷では。



魔女「え?ファミレス?何それ」


闇に堕ちた魔法使い。

魔女



アイン「外で食事ができるんですよ。凄くね?・・・・じゃなくて、凄くないですか?」


魔女に使えし小悪魔。

アイン



魔女「うっそ、マジで?じゃあこれからはお前のクソまずい飯食わなくていいじゃん」


アイン「何だと老いぼれ」


魔女「あ?


アイン「お?



魔女「・・・・とにかく行ってみる価値はあるな」


アイン「だろ?早く行こうぜクソババア」


魔女「お前ゴキブリに変えてやろうか?















ーーー場面は変わり。


205号室・オオカミ宅。



オオカミ「ファミレスぅ?何だそりゃ」


ヘンゼル「元々は下界の建物だったんですが、ついにおとぎの国にも1号店がオープンしたんですよ」


オオカミ「ふぅん.....。ま、行ってもいいけど」


ヘンゼル「よかったです。ちょうどオープン記念の割引券が2枚あったので」


オオカミ「グレーテルを誘えよ。ケンカでもしたのか?」



ヘンゼル「いや、何か最近宇宙との交信にハマってるみたいで....」


オオカミ「また妙なモノにハマったな







こうして。



魔女「ほら、早くドラゴンに乗れよ」


アイン「うっせぇなクソババア」



二組の”おとぎの国の住人”達が



オオカミ「よっし。じゃあ行くか」


ヘンゼル「はい、行きましょう」



初のファミレスを目指し、動き出したのだった。



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