グリム荘の住人は頭の中が”おとぎの国”だった。



#204号室・赤ずきん(1/7)




204号室


赤ずきん


205号室


オオカミ



青く澄んだ空、白い雲。

幸せの青い鳥の囀りに、眩しい太陽。


そんな中


青ざめた顔でベランダにグッタリと倒れこむ姿があった。



そう。


205号室の住人、オオカミである。


オオカミ「・・・・・もうダメ。ノイローゼになる」


彼は以前、赤ずきんの祖母を丸呑みにして骨を5本、頭部8針を縫う制裁を食らわされている。


もちろん、赤ずきん本人にだ。


お婆さん丸呑み事件は既に解決していたが、あれ以来どうも赤ずきんとの間にできてしまった溝が埋まらない。


せっかくのお隣さんなのにこれでは全く歩み寄れる兆しがない。



オオカミ「どうしたらいいんだ。あの赤ずきんの機嫌を治すには.....」


ベランダからチラッと隣を覗くと



そこには、いた。


背の低いまるでフランス人形のような可愛らしい少女が1人。

真っ赤な頭巾を被って。



赤ずきん「はい!引っ越せ!引っ越せ!さっさと引っ越せ!しばくぞ!!



オオカミ「・・・・・・・・・・・」


朝の5時からずっとアレだよ....。


グリム荘名物


赤ずきんのヤジ飛ばしです。




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