=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
☆[秘密](1/21)
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
『ね〜〜真面目にきいてるんだけどぉ?』
由美子は自慢の赤毛をさらりと耳にかけた。
ふんわりと香るにおいは、甘い。
『由佳ってコ。
ほんとに身に覚えないの?』
「…だからさっきから知らないっていってんじゃないスか」
くるくるの真ん丸の瞳はほんとにあいつそっくしだな。あいつはなんで髪が赤くないんだ?
「由美子サン、これってホントに自毛なの?」
由美子の髪を一束摘んだ。本当にサラサラしている。
『夏樹くぅん?あたし真面目な話をしてるんだけど』
真面目…ねぇ。
「わざわざ授業中に呼び出して女の話スか?
勘弁してくださいよ。俺単位ヤバイんだから」
グラウンドでは二年がハードルの授業をしている。
「佐野じゃだめなの?その質問。」
一年の教室に目をやると、いつものようにすずはぼーっと外をみている。
(あいつ、授業きいてね−な)
ついつい、笑ってしまう。
『も〜〜!翔太に頼まれて調べたのにぃ』
と、口走り、しまったと口を抑えた。
『へ−?佐野に?何を?』
「いや、あの、たいしたことないんだけど…」
明らかにモゴモゴしている由美子をみて夏樹はまた笑ってしまう。
『何よぅ?』
「いや、可愛いな−って」
見た目はクールっぽくて、大人の女な雰囲気なのに
中身はドジでおっちょこちょいで、すぐむきになるところなんか
すずに似てる。
いつもそんな由美子を見ては、つい癒されてしまうんだ。
『もー!!あたしにその手は通用しないのよ?』
真っ赤になって由美子が俺の腕をパシンと叩いた。
ほら、似てる−−
- 172 -
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
前n[*]|[#]次n=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
⇒しおり挿入=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
[
編集]
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
[
←戻る]