みりたりーまじっく!
[第8話 僕はこの世界を歩みます。](1/47)
クラス戦の翌日。
授業自体、今は無いので休みの日というのはいつを指すのだろうか。
そういう意味では、今日は学校には行かないから休みの日である。
理由は簡単だ。
昨日のクラス戦後、誰が言い出したか明日は休みにしようという流れになったのである。
他にも学祭絡みでやる事はあるのでまるっきり休めば良いというものでもないのだが。
そのため、明日からはまたクラスで集まる事となっている。
意外にも、誰かと過ごす予定のない休日というのは魔法界に来てからはあまり多くない。
「……あ。 たまにはやらないとな……」
ふと僕は最近ご無沙汰になっていた事を思い出した。
一つ伸びをしてゆっくりと机に向かう。
その引き出しの一つを開けると、見慣れたアタッシュケースがそこにある。
念のため部屋の鍵がかかっている事を確認して、その中身をカーペットの上に広げた。
機動界から持ってきた銃器類だ。
各種一丁ずつの計四丁。
どういう構造があってどこの部品は何の意味を持っていて。
既にそんな物は頭に叩き込まれていた。
手早く分解して中を点検するも、使っていないだけあって劣化や破損も見当たらない。
最後のスナイパーライフルの隅々まで確認を終えると、僕は再びそれらをケースの中へ収めた。
異常のない事は喜ばしいのだが、時間つぶしとしてはあまりにも短いものである。
「……暇だな」
呑気な独り言を呟いてみる。
我ながら余裕も出来たものである。
ここに飛ばされた当初では考えられなかったぐらいに、僕はこの世界に慣れたんだと思う。
こういう時に機動界に帰る、とか出来たらいいのになぁ。
暇だから帰る、というのも気の抜ける話ではあるけれど。
んー……。
「ちょっと散歩でも行くか」
部屋でだらだらとした時間を過ごすなら出掛けてみるのも良いな、と僕は思い立った。
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