ドリーム学園

★ 第06章(1/3)




「………え?」

「だーかーら!
恋って何?……って
聞いてるんだけど…」


小春から目を逸らした後
「聞かなきゃよかった〜」
と背伸びをする


そんな瞬太を見つめながら

「恋は………」

「ん〜?」

話始めた小春の方に振り返る

「恋は、好きっていう感情です」

真っ直ぐ瞬太を見つめる小春

その顔は
どこか照れていて…
それでいて苦しそうな顔だった


「……好き?」

「………」

ただそう呟かれただけなのに
まるで自分に言われてるみたいで
ドキッとしてしまった


「…そ、そうですよ

その人の事を考えるだけでドキドキしたり…
苦しくなったり、嬉しくなったりするんです」


真っ直ぐ見据えていた視線を
小春は逸らした



自分に言っているような
言葉に耳を塞ぎたくなった


「その人の事を考えて
涙を流したり

辛いもんなんですよ?」

小春は涙が流れるのを
ぐっと堪え

屋上から出ようとした



ぐいっ


「……!!!」



腕を強く引っ張られた

気付くと小春は
瞬太の腕の中にいた


「何……泣いてんの?

俺なんか悪いこと言った?
ゴメンな?」


あまりにも優しい声に
温かいぬくもりに

思わず小春は涙した



「……七海君は悪く…ないです」

と言って精一杯の笑顔を見せた

「……そっか」

その笑顔を見て瞬太も笑った


「それじゃあ、もう教室に行きますので…」


そう言って小春は瞬太から離れた

「おう!じゃーな!!」


瞬太が笑顔で手を振る中


「………バイバイ」


小春は瞬太と同時に
この恋に別れを告げた





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