シュウとツバキ。―フタリのシアワセのカタチ。椿sidestory―
[キライナモノ。スキナモノ。](1/1)

私のキライナモノ。

雨がキライ。
まるで私の心をあらわしてるみたいだから。

雨雲もキライ。
厚ければ厚いほど、私を責めてるように見える。

曇り空も。
私を嘲笑ってるように見える。

朝の明るさも、お昼の太陽も全部。

私を照らすものがダメ。

全部私を苦しめるから。

そして

自分の名前も。

地獄でつけられた、二度と聞きたくない名前。

スキナモノは

夕暮れと、真っ暗な夜。

月と星だけで私を見て、優しく微笑んでくれているように輝いてるの。

私には到底手の届かないけれど。

人目に触れないでいられるの。

もうひとつスキナモノがある。

それは

「君」

名前の知らないお兄さん。

私を救ったおにいさん。

悲しそうで暗く、希望をなくしたような目をしたオニイサン。



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