アイツとお前と俺
[犯人からの電話](1/4)




  窓の外の降る雪。


  見つめるだけで凍えそうな程、真っ白な色だった。



  『…珠銀(しゅはく)』


  耳元で、大嫌いな人が囁いた。


  直ぐに電話をブチ切りたいけど、それが出来ない。


  上下関係は、いくら俺でも流石に理解してる。


  「……なんですか」


  出来るだけ感情の籠らない声で言った。


  でも、そいつに恨みがある俺に、そんなことは出来なかった。


  『お前さぁ手術成功したんだって?』


  そいつは俺をころころと愉しげに転がす。


  動揺なんて、どうせ見透かしてるんだろう。



  「…分かって言ってますよね」



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