ここはどこ
[1](1/1)
俺は22だったよな?
大学生になって一人暮らしを始めて、映像関連のサークルに入って、その仲間達と撮った作品が賞を貰ってテレビ局の内定貰って……
あっ、そうだ!!昨日は彼女の友梨と遊園地に行って、ディナー食べて、そしてホテルで……
なのになんで

「起きなさい良太!!」
俺は叩き起こされた。
記憶の中では俺が17歳の時に亡くなったはずの母さんに
何で母さんが存在してるんだ?
でも、この部屋は紛れもなく実家の家で二階の俺の部屋だ。
ん??友梨は?ってか俺って何歳なんだ??

「かあ母さん!今って令和何年?」
俺の質問に母さんは怪訝な顔をする。
「何言ってんの?令和って何??早くしないと学校に遅刻するわよ!!」
学校??って事は俺は高校生か?
そして母さんは令和を知らないようだ。
部屋から出ようとする母さんを呼び止め、俺はもう一つ質問をしてみた。
「母さん!今俺って何歳なの?」
母さんの顔が不機嫌になる。早く用意して学校に行けと言う表情だ。
「もう……訳の分からない事ばっかり言って!!貴方は中学二年生でしょ!!早く学校に行きなさい!!」
そう言って母さんは部屋から出て行った。

中学二年生??何で俺中学二年生になってんだ?
?そうか!夢か!
俺は自分の頬っぺたを思い切りつねってみた。
「イデデデ!!」かなり痛いって事は夢じゃない?じゃあ大学生活や彼女の友梨との思い出が夢??いや、そんなはずはない。
そっちの記憶も夢とは思えないぐらいにハッキリとしている。
まさかタイムスリップか!?だとしたら何で?
昨日は友梨とデートしただけで、タイムスリップする様な要素は何もなかったはずだ。
大体タイムスリップする要素ってなんだ??
「良太!!!!!!!早く準備しなさい!!!!」
俺がパニックになっている所で、一階にいる母さんの怒号が俺の部屋まで響いた。何だか懐かしい昔もこうやって怒られてたな。
俺は何とか部屋から制服を見つけ、着替えをすまして一階に降りた。

一階に降りると、懐かしい風景が眼前に飛び込んできた。
母さんが台所で料理をして、父さんが新聞を読みながら朝食を待ち、妹の桜は子供向けのTVを見て笑っている。俺が中学二年生って事は桜は小学六年生か?
当たり前の日常だけど、もう俺にとっては当たり前じゃ無くなったはずの日常……
「良太!!お弁当はもう包んでいるから早く行きなさい!!後で応援に行くからね!」
ん?応援?なんだ応援って
「母さん応援って何?」俺の発言に家族が一斉に俺の方を向く。
「何言ってんのお兄ちゃん!!今日は運動会じゃん!」
「良太!!リレーのアンカー頑張れよ」
妹と父の言葉に俺の記憶が呼び起こされる。
なるほど今日は運動会なのかあれ思い出してきたぞ中学二年生の運動会ってたしか!!!






- 1 -

前n[*]|[#]次n
/3 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]