探偵みたいな高校生達(31th CASE)

エピローグ(1/2)


荷物のまとめをして、帰る支度は終わった。
元々この家の問題解決のために呼ばれたのだから、終わってしまえば居る必要はない。

まだ早い時間で、誰も起きていない。書置きは置いてきたから問題はないだろ。
会ってからさよならを言うと泣いてしまいそうだから早い時間に出ているんだけどね。


「さ〜って、と」


大きく伸びをする。荷物を持ってから、音を立てずに部屋を出る。

誰も聞いていないのに、人差し指を口元に当てて「しぃ〜……」と言いながら廊下を歩く。彰の家に泊まった時とかの早朝ドッキリをした頃を思い出した。あの時もこんな風に四人で口元に指を当てて、笑いあった。ドン・キホーテで買ったクラッカー・バズーカを部屋の中で発射して彰にボッコボコにされたのも思い出した。

痛かったなぁ、あれ。

腰を下ろして、靴ひもを結ぶ。立ち上がろうとしたら服を掴まれた。


「ん?」


振り返ると……亜紀ちゃんか夏海ちゃんのどっちかだった。
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