珈琲にはとびっきりのお砂糖を。
暗い道では自分の影にもビビる(1/26)








『昴君と二人で帰りたいの』



その円香の言葉に、二つ返事でOKした。


OKした後に、これ言うと昴が怒るかなとか、ということは一人で帰んなきゃいけないのかとか考えたけど、もう断るわけにもいかないから昴には私が一人で帰ることを言わないという条件だけ出しておいた。


要はバレなければ怒られもしないだろうということだ。



一人で校門から踏み出した今はそもそも何で後先考えずにOKしちゃったのかと少し後悔していた。


円香の強い思いが伝わってきて圧されてしまったのかもしれない。


というかただ単純に予想外すぎて頭が回らなかったとも言える。





文化祭が終わり片付けもして終礼が終わった後、円香が昴を呼び出しているうちにクラスの誰にも何も言わないままそそくさと教室を出てきた。



昴はいずれ私がいないことに気付くだろうけど、円香が適当に誤魔化してくれるらしい。


一人で帰ったことさえバレなきゃ何でもいいと伝えてるしきっと大丈夫だろう。



二人で帰ることで明確に進展するとは限らないけど、円香なりに二人っきりで話したいこともあるのだろう。






-167-

← 戻る | 進む →

/352 n

しおりを挟む

⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

戻る