珈琲にはとびっきりのお砂糖を。
大人数のカラオケは気を使うタイプ(1/14)






カラオケに誘ってみたところ、詩音は二つ返事でOKだった。

来たる火曜日、集まったのは昴とクラスの男子4人、私と詩音と別のクラスの女子2人だった。


別のクラスの女子2人は私も詩音もそこまで仲良くない子だったけど、少し話せば案外簡単に打ち解けることが出来てホッとした。

学校近くのカラオケに入り、男子達が勝手に盛り上がって次々と歌い始める。



「あたしらも歌おー」



大人数のカラオケは選曲に気を遣う。


マイナーな曲を歌えば場を白けさせかねないし、無難に流行りの曲を入れておく。

私の好きなバンドの新曲が配信されていて是非とも歌いたいところだけど、次の機会に見送ることにしよう。



私が一曲目を歌い終えれば、昴が私の隣に座る。


さっきまで隣に座っていた詩音は向こうの男子と盛り上がっている。



「ジュース何飲んでんの?」


「コーヒー」



私の答えを聞く前に勝手に飲んでいる。



「にっが!コーラかと思った」


「コーヒーって言ったじゃん」



答え聞く前に勝手に飲むなよ。

ていうか飲むなら聞くなよ。



「俺のジュース向こうの席に忘れてきた」


「取りに行けば?」


「俺次歌うし」


取ってきてほしいならそう言えばいいじゃん」



まったく回りくどい男だ。






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