探偵みたいな高校生達(30th CASE)

プロローグ(1/1)


「くっそ……またやられた……」


「これで何度目だ……!」


警察官の何人かは大きなため息を吐いた。
その手に握られているのは、『T.J.』と書かれた封筒。『T.J.』とは、世間で有名犯罪者の『Time Jumper』のことである。その正体は高校生なのだが、そんなことを知っているのは三人だけ。

決して人を殺すことはしない『Time Jumper』は人によっては好感を持っているが、もちろん犯罪者なので嫌う人もいる。さらには捕まえようとする人間もいる。



「――あれが、『Time Jumper』か……」


彼のその姿を見つめる人影は、とても冷たい視線を持っていた。その冷たい視線を持つ人物は、その姿を瞬く間に消していった。


そこに落ちていた懐中時計は、人物がいなくなってから誰の手にも触れずに針が巻き戻っていくのだったが、そのシーンは誰も見ていなかった。
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