Midnight Love。
[12.](1/7)




瞬の家に来てから、私たちの間に少しだけ
気まずい空気が流れていた。


スマホ片手にタバコを吸って、いつもと
同じようにしている瞬。

その横にチョコんと座っているけど、私は
ソワソワせずにはいられない。



ピンポーン。


そんな中いきなりインターホンが鳴って
ドキリと跳ねる私の心臓。


「はあー。誰だよこんな時に」


ちょっと待っててと言って、瞬はダルそうに
玄関に向かって行った。


ほんと、こんな時に誰よ

ただでさえソワソワしていたから私も今は
瞬と同じことを思ってしまう。


玄関とリビングの間にはドアがあるけど、
耳を澄まさなくても少しだけ声が聞こえた。


それも低くない、高い声。

女の子が来たんだって嫌でもわかる。


瞬のことを好きな子はいっぱいいて、瞬も
その子達と遊んじゃうし。

やっぱり、考えても私はもう瞬のことを
最初よりも好きになりすぎていて、そこまで
割り切れないよ


優雅くんに後押しされて、きっとどこかで
瞬に何か言われるのを期待していたんだ。

そんな都合いいこと、起こるわけないのに。



あれこれ考えているとリビングに瞬が来た。


「ごめん、咲。少しだけ待ってて」


申し訳なさそうにそう言うけど
この状況で、完全に邪魔なのは私の方で。


「ううん。私、帰るよ」


「だめ」


カバンを持とうとした私の腕を、ガシッと
掴んで離そうとしない瞬。




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