Midnight Love。
[09.](1/8)
〜♪〜♪〜♪〜
携帯が鳴って、画面をみるとそこには
瞬の名前が表示されていた。
『…はい』
『ごめん、ちょっと遅くなる』
『わかった。鍵開けておくね』
『できるだけ早く行くから』
心のどこかで少しだけホッとする。
でも、ただでさえ色々と考えちゃうのに
こんな電話されたらもっと考えちゃうよ。
こういう時ってやたらと時間が過ぎていくのが
めちゃくちゃ遅く感じる。
瞬が来たらどんな顔して、なんて言えば
いいのかを必死に考えていたら、
ガチャ。
玄関のドアが開く音が聞こえてきた。
「遅くなってごめん」
リビングに来るなり、瞬は謝る。
しかも、いつになく真剣な顔をして。
「ううん、大丈夫だよ…」
私がそう言うと瞬は近寄ってきて
抱きしめてくれた。
でも、いつもの瞬の匂いじゃない。
甘くて少しだけ爽やかな、いつまでも
鼻につきそうな香水。
こんな匂い、知らない。
だけど、やっと思い込みから確信に変わった。
瞬は女の子と会ってきたんだって。
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