「羽音ー!いつまで寝てるの!」
「…もう、うるさいなあ…」
掛け布団を頭の上まで引っ張り上げて
せめてもの抵抗。
「雪斗はもう起きたわよ?
羽音が寝坊してどうするの!」
「雪斗関係ないじゃん…」
「いいから早く起きなさい!」
そうしないと、と
お母さんは部屋を出ながら続けた。
「朝ごはん抜きだからね!」
「勘弁してよ…」
朝ごはん抜きなんて耐えられない。
学校に着く前に倒れちゃう!
「眠い、寒い、身体重いよー…」
そう呟きながら
クローゼットの制服に手をかけた。
ワイシャツのボタンを閉めながら
壁に貼ってある時間割を確認。
「ねーちゃん、起きてる?」
ドアからひょこっと覗いた顔。
「雪斗!
ノックしなさいって言ってるでしょ!」
「はいはい、うるさい。」
「なっ…」
姉に向かって“うるさい”って何事ィ
「水泳部って、今日あるの?」
「…は?」
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