だって好きなんだもん

プロローグ(1/14)





「羽音ー!いつまで寝てるの!」


「…もう、うるさいなあ…」


掛け布団を頭の上まで引っ張り上げて
せめてもの抵抗。


「雪斗はもう起きたわよ?
羽音が寝坊してどうするの!」


「雪斗関係ないじゃん…」


「いいから早く起きなさい!」


そうしないと、と

お母さんは部屋を出ながら続けた。


「朝ごはん抜きだからね!」


「勘弁してよ…」


朝ごはん抜きなんて耐えられない。

学校に着く前に倒れちゃう!



「眠い、寒い、身体重いよー…」


そう呟きながら

クローゼットの制服に手をかけた。



ワイシャツのボタンを閉めながら

壁に貼ってある時間割を確認。



「ねーちゃん、起きてる?」


ドアからひょこっと覗いた顔。


「雪斗!
ノックしなさいって言ってるでしょ!」


「はいはい、うるさい。」


「なっ…」


姉に向かって“うるさい”って何事ィ



「水泳部って、今日あるの?」


「…は?」


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