飴玉の詩(あめだまのうた)
[藍の詩(あいのうた)](1/4)


わたしはあなたに何ができるんだろう


いつもわたしのそばに居てくれるあたたかい光

わたしは 物心ついた時から
あなたしか要らなかった

走るとすぐ転んじゃう まだ小さい頃

痛かったねって あなたの優しい手が私を抱き上げて撫でる

その手が大好きで

わたしが泣くと あなたが困るから
わたしは泣かない

学校に行かないでって言わない


お仕事に行かないでって言わない

だって信じてる

どんなに遅くなったって
優誠はわたしの所に必ず帰ってきてくれるから


あなたが時々痛そうで悲しそうだったことを思い出す

作文を書きながら 泣いていたあなたが消えてしまいそうで
わたしはその背中を抱きしめた

わたしはあの時誓ったんだ
わたしはわたしに出来る限り
あなたを守ろうと

何の力もないくせに





優誠

最近 わたしを少し 遠ざけるよね

淋しいよ

でも うまく言葉にならないよ
どうしたら
まだ小さかったあの頃みたいに毎日抱きしめてくれるの

優誠は変わらないよ 信じたいよ

このまま時が止まってしまえば良いのに



10歳のわたしは
ただの分らず屋の子供だった

優誠が何を考えているのかわからない

単純に 何も変わらない

“今までと同じ”


それだけを求めている


優誠 変わらないで



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