Disney story
[こぼれたポップコーン](1/1)


「ママ!ほんと?ほんとにミニーちゃんとシンデレラに会えるの??」

4歳になる娘、めぐみがキラキラした目を向けて聞いてくる。

もう何回答えただろう。

「会えるよ、めぐちゃん。ミニーちゃんとシンデレラに会いに行こうね!」

「うん!絶対ね!」


2年前。
私は夫と離婚した。
ディズニーランドは離婚して以来行っていない。
ベビーカーにのっためぐみと夫と3人で満喫するのが楽しみだった。


「ママ!早く行こう!」

「わかったから、走っちゃだめよ!?」

「うん!はやくはやく!」





「あっ!ミニーちゃんだ!ママ行くよ!」

「ほんとだね!めぐちゃん、ミニーちゃんと写真撮ろうね。」

「うん!」




「あー!ポップコーンだ!ママ欲しいよー!」

「いいよ。ママが持ってようか?」

「だめ!めぐみが自分でもつの!」

「わかったから、こぼしちゃだめよ。」

「うん。あー!シンデレラのお城行きたーい!」

「ちょっとめぐみ。待ちなさい!」



めぐみは私の目の前で転んでしまった。

「うぇーん。ポップコーンがー。こぼれちゃったよー。」

周りのキャストさんが駆けよってきてくれた。

「大丈夫だよ。あのね。このカードはティンカーベルの魔法がかかってるんだ。だからあのお姉さんに渡してごらん。」

「魔法?わかった。お姉さん。」


ポップコーンのワゴンのキャストさんにめぐみがカードを渡すと、
笑顔で、めぐみに半分になったポップコーンバケットをポップコーンでいっぱいにしてくれた。


めぐみはさっきのキャストさんにお礼をいいに戻って行った。


そこには、めぐみがこぼしたはずのポップコーンが綺麗になくなっていた。

「あれ?めぐみがこぼしたポップコーンは?」

「めぐみちゃんっていうのかー!可愛い名前だね。
めぐみちゃんがこぼしたポップコーンは、ティンカーベルが魔法で片付けたよ!」

「ティンカーベルが?」

「うん。ティンカーベルが、めぐみちゃんが困ってたから助けてくれたみたい。お姉さんね、ティンカーベルからめぐみちゃんに、
『魔法でめぐみちゃんが楽しめるようにしとくね。』
って伝えるように言われたんだ。」

「ママ!ティンカーベルが魔法かけてくれた!」

私はそのときハッとした。

夫と離婚してからめぐみのためだと思いながら一生懸命に働いた。

でもそれはめぐみにとって楽しくて幸せなことだったのだろうか。

「じゃあめぐみちゃん、楽しんできてね!」

「「ありがとうございました!!」」



めぐみにとって幸せとは何だろう。

母親として、また父親の分までめぐみにできることはなんだろう。


あの日、私はディズニーランドで娘とこぼれたポップコーンに大切なことを教えられたのだった。




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