ギョロメガブリーノ
[2.死神のいる『都市《まち》』](1/117)
最上ななえの朝は早い。
六時ともなれば執事の或瀬《あるせ》がカーテンを開き、メイドの魔緒《まお》と冥菜《めいな》が『お嬢様お嬢様』とバタバタ忙しない様子で部屋に駆け込んでくる。
あと三分。目覚まし時計相手なら通用するその方法も、相手が人間ともなれば全く効果を示さない。
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