動機(1/12)
―1―
コ「嘘だ‥‥‥お袋を、あいつらが‥‥‥?」
コナンはさっきとは違う感情で身体を震わせた。
さっきのは妹を犯人と言われたことへの怒り。今は母親を殺されたという真実を知ったことの驚き。
どっちにせよ、動揺が隠せてない。
彰「キミのお母さんは、この劇場の人だったのか?」
彰は彼女に訊ねた。
犯人が誰かを推理しても、犯人がなぜこんな事件を起こしたのか、はいつも藪の中だ。
セ「ええ、私のお母さんもこの劇団の人だった。お父さんもお母さんも、この劇団のことを誇りに思っていた。そんな2人が私は大好きだった。ずっとお父さん、お母さん、そしてコナンと私――4人で舞台に出る。それを夢に見てた」
少女の儚い夢だった。
夢を夢のままにしておけない。いずれその夢は目標となって、努力をしていったはずだ。
セ「――でも、ある時、お父さんが事故で亡くなったの」
話は少女の真っ暗な闇へと進んでいった。
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