Step change〜次の私〜
[名前](1/16)




「そうだ。あんたの名前なら、おじいちゃんが決めてくれたのよ」





お母さんは笑いながら言った。





おじいちゃん!?






「初めて知った。…」





そんか事初耳だ。





「今自分の部屋にいるんじゃないかな?」





お母さんはそう言うとまたネギを切り始めた。






あたしはキッチンから離れて、おじいちゃんの部屋に行った。











トントン。





あたしはおじいちゃんの部屋をノックした。





襖をノックするのはちょっとだけ変な感じ。





「おじいちゃんー?陸だけど…」





「おー入れ入れ!!」





襖の向こうからおじいちゃんの声が聞こえた。





「おじゃましまーす。」





あたしはおじいちゃんの部屋に入った。





「おー陸!!」





おじいちゃんはニコニコ嬉しそうにあたしを見た。





おじいちゃんの部屋は畳だ。





六畳半の部屋。





「おじいちゃん、聞きたい事あんだけど…」






「おー…わかってるよ。……



陸、ワシとバーサンの運命の出会いを聞きにきたのか?」




「いや、違うから。」





「なんじゃ…違うんかい…」




おじいちゃんは少し残念そうな顔をした。





おじいちゃんはおばあちゃんとの出会いの話をいつもしたがる。





それはそれは永遠と…





あたしが小さい頃、初めてそれを聞いた時朝からご飯も食べずに永遠その話をしたおじいちゃん。




あたしも勿論ご飯を食べれなくて、しかも夜中まで元気よく話すから
あたしは途中で寝てしまって、次の日おじいちゃんに怒られてた。





まぁ、話の途中で寝たあたしも悪いけどね…


まだ小さいあたしがご飯も食べず夜中までおじいちゃんの話を途中まで付き合ってあげたよだよ?





そこまで怒る事なくない?




と小さいながらあたしは思った。





だから、あたしはおじいちゃんの語りは苦手だ。









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