《秘密の共有》

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「…いまから貰いに行ってもいい?」



私がそう神在月に電話したのは、多分もう夜中の1時を回っていたと思う。


中三の夏に彼に出会い、秋に教えられた電話番号だけど、私から電話したのははじめてだ。



『―――なんかあったのか?』



「……」



『まあとりあえずこっちは大丈夫だから。母親と兄貴に見付からないように来いよ』




こんな非常識な時間帯に電話しても、文句のひとつも言わない彼になんだかとても申し訳なくなって。



「……ごめん、やっぱりいいや」


『よくねーだろ馬鹿』



とにかく、鍵開けとくから。と、彼は言うと一方的に通話を切られた。






支度をして、早く行こうと思い、必要最低限の荷物だけを鞄に詰める。


それから、隣の兄の部屋を覗いた。兄は高校三年で、土曜日の外部模試のために勉強している様子。



その部屋の前を静かに通って、なるべく音を立てないように階段を下り、家を出た。








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