こじらせ男子とお隣さん
[モシカスル](2/8)
「…やっぱ言う」
少し、掠れた声で沈黙を破った吉田さん。
「あのさ、」
「はい」
「………やっぱ、永井さんすげえいい匂いする」
「…な、は、?」
「ああー、失敗。やっぱこんな、言わないほうが良かったわ。ごめん」
いい匂いするって言われたって、上手く反応できない。嬉しくないわけではないけど、なんだか恥ずかしい。
また、沈黙。
聞こえるのは吉田さんの胸の音。
吉田さんには何が聞こえているのだろう。
「よ、しださん」
「…はい」
「私、抱きついても良いですか」
こんなに近いのに、私と吉田さんの距離はゼロではない。私はもっと、もっと近付きたい。
「俺も、思ってた」
そう言って吉田さんは私の背中に腕を回して、遠慮がちに抱き締めてくるから、私も吉田さんに抱きついてみた。
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