辿り着く場所
[置いていけないよ](1/11)
「今日帰り遅くなるわ。
たぶん7時過ぎる。
また連絡するから。
子どもらよろしくな。」
朝、しゅんたはおでこに
キスをして仕事へ向かった。


夜7時を過ぎても
その日はしゅんたは帰ってこず
連絡がくることもなかった。
いつもなら少しでも
遅くなる時は電話がかかって
きていたので不安になる私。


「ママ…。
えんえんしそうなの?
ぼくといっしょにねる?」
子どもにも心配かけたね。
まだまだ私は泣き虫で弱い。
全然立派なママになれていない。


「大丈夫だよ、ごめんね。
パパ遅いからもう寝よっか。」
時間も8時をまわっていたので
子ども達と寝室へと向かった。


子どもを寝かせていると
携帯に着信があり、
しゅんたの名前が表示されていた。


「もしもし?」
しゅんたからの
電話のはずなのに…。
電話の相手は
しゅんたではなく尚平さんから。


「…。」


「もしもし?大丈夫か?」
大丈夫なわけないよ。
しゅんたの携帯から尚平さんが
電話をかけてくる理由が
聞かなくてもわかってしまったから。
しゅんたに何かあったって
理解してしまったから…。



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