ハンド

★[俺ならできる。](1/12)
運命に巻き込まれ、青年は立ち上がる。
「カケル――ッ!!」
目を覚ましたが眠た過ぎてベッドから起き上がる気になれない。
あの声はアイツだな。
ドタッタッタッ
再び寝始める。
「起きろ――ッ!」

「ん?チエか、」
「寝るな!!」
髪を後ろに結んだ女の子が叫ぶ。
「遅刻するよ、」
……しつこいな、いつもだけど……。
「先行けよ、」

左眼を開けて、チエの顔を見た。
ん?……すねてる?
「一緒に学校行くって言ったじゃん、」


「チエ、足遅いからすぐに追いつくよ」
……すねたまま、部屋の扉を閉めた。
俺は寝間着から制服に着替える。
階段で下に降りて、テーブルの上の焼きそばパンを鞄に入れる。
「行ってらっしゃい、」
靴を履き終わって、玄関を開けて走り出した。
「気を付けてね――ッ!」


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