探偵みたいな高校生達(19th CASE)
エピローグ(1/2)
「おはよ〜」
修学旅行が終わって、わたし達にはいつもの登校する日が始まった。
「あっ、美子。おはよ」
「おはよ、優子。浜くん、何読んでるの?」
「ん?新聞だよ。やっぱりあの事件で、大倉は辞職したってさ。あんな事件のせいだと思うと、なんか複雑だよな」
新聞を閉じて浜くんは言った。
ふと、わたしは疑問に思った。いつもはいる席に彼がいなかった。
「浜くん、駿一くんは?」
「ああ‥多分屋上だろ。山本を助けられずに自殺させちまったことがまだショックみたいだ」
浜くんは少しうつむきながら言った。
駿一くんは今まで何件もの事件を解決してきた。そして、犯人は必ず逮捕してきた。
自殺させてしまったのは過去1件だけだった。クラスの委員長で、駿一くんの親友とも言える人だった。その人の死で駿一くんは犯人の死を何よりも恐れている。
「わたし、ちょっと行ってくる」
「‥‥‥西崎、今は駿一をそっとしてやってくれないかな?」
浜くんが頼んできた。
いつもはケンカのような言い合いをしたりして駿一くんを怒らせてるけど、浜くんは駿一くんがやっぱり心配みたいだ。
「すぐに戻ってくるから」
そう言ってわたしは屋上に向かった。
「――ったく、あいつは泣いてる顔を見られたくないヤツがいるから屋上に行ったってのに。そいつが行ったら意味がねえだろ」
浜くんが言ったことは、わたしの耳には届かなかった。
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