探偵みたいな高校生達(19th CASE)
謎解き(1/12)
本木は最上階に立っていた。
隣にはアルテミスとアレスがいた。
しかし、アテナとヘルメスだけいない。大方『ゼウス』からの連絡で大変なんだろう。
あと私がすることは1つだけ。『ゼウス』に渡されたリモコン。このスイッチを押せば『ゼウス』が神として君臨するらしい。あの方の言葉に間違いはない。
あの方が君臨すれば、大人への復讐が完了する。
スイッチに手をかけた。
これで終わ――
「やめろ!」
そんな私達を止める声が聞こえた。
――――――――――
「やめろ!」
なんとか間に合った。
ギリギリだったけど、間に合うことができた。
オレ達4人は走って、最上階に着いた。肩で息してるオレ達はなんともカッコ悪いだろう。
「次郎、お前はあっちを頼む」
そう言って次郎は場を離れた。
残ったオレ達は説得を始めた。
「それを押したらダメだ。大変なことになるぞ」
「ふん、何を言ってる。我々は『ゼウス』の神のご加護によって守られるのだ」
「じゃあ、なんで『ゼウス』が姿を見せないんだよ!?」
「貴様らには見えないのか、あの方の姿が――」
「見えてないのは、アンタらの方だろ!」
彰は大声で言った。
「アンタらは知らないだろうけど、そのスイッチは爆弾の起爆装置なんだ。なんでそれをアンタらに渡したかわかるか?必要なのは被害者じゃなくて、アンタらだからなんだよ」
陽が言って、最後にオレが言った。
「信じられないなら、そのボタン押してみろ!!」
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