龍と鳳凰の恩返しと、麒麟の慈愛
[―ダークヴァンパイアの実体と、窮地に陥った鳳凰―](1/39)
人間が自分達より劣っている存在だとして鳥人達が人間を呼ぶ時に使う“羽無し”という言葉…
瑠璃の事を何度もそう呼んでいたガルーダの母親が実はその羽無し(人間)だった…
彼からその真実を聞いた瑠璃は驚きを隠せなかった…


瑠璃「嘘……!

まさか、そんな……

こんな事ってあるんですか…?」


瑠璃は完全に動揺してしまっていた…


その瑠璃を見て、ガルーダはふぅとため息をつきながら、


ガルーダ「やっぱ驚くよな…

ってか、ふざけんな!って感じだろ?
あれだけ羽無し羽無し言っておきながら、てめえのおふくろが羽無しかよ!って…
なんだよそれ!って…

ホント、シャレにならねえよな…」


瑠璃「それは、まあ……

でも、それならどうしてあんなに羽無し羽無し連呼してたんですか?」

ガルーダ「それは…
そう呼びたかったからだよ、お前を…

それに、なんか悔しかったから…」

瑠璃「え?
悔しい…?」


ガルーダ「おふくろにはこれといった落ち度はなかったし…
けなす所なんて一つもなかったから…

親父に聞いてもおふくろは良い女だの、素敵な女性だのその一点張りで……

だから、おふくろの事はそう呼べなかった…

それに、おふくろ…俺を産んですぐ亡くなっちまったからそう呼びたくても呼べなかったしな…」

瑠璃「…!

そう、だったんですか……」


ガルーダ「ああ…

それに、いつか好きな女が出来たらそう言おうと思ってたんだ

だから…」


瑠璃「そうですか…

そういう事なら…分かりました。

それに、お母様に対するあなたのお気持ちも…

大好きだったのですね、お母様の事…」


ガルーダ「…!//

………ああ…

好きだった…」


瑠璃「やけに素直ですね。」

ガルーダ「もう見栄張るのも疲れた…」


と、ガルーダは瑠璃の膝の上にゴロンと横になった…!

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