〜欠落者と○○〜
★[4話](1/3)
side ×××

夢を見た。
それは何年も前のこと……
そして今も忘れられないこと……

思い返してみれば、普通というものはとても幸せなことなんだと思う。

日常と非日常。
それらは対極なものだと思っていたのだけれど、日常なんてものは最初から存在していなかったのだ。
そう、似ている日はあれど、同じ日なんてものはないのだ。

故に日常は非日常であると思う……

あの日のことを思い出しながら、そんなことを夢の中で考えていた……


side 巧

「橙希、もう五時半を過ぎてるよ」

 僕はこうして毎朝橙希を起こしている。橙希は低血圧とかではないのに、何故か朝に弱い。
寝る時間は僕とあまり変わらないと思うんだけどなぁ……。

「……ん」

 欠伸をしながらゆっくりと橙希は起き上がった。
彼が寝るときの服はいつもジャージという楽な格好だ。
しかも、所持しているジャージの数は十を数える程に多い。
前に僕が何故そんなに多くジャージ持っているのか聞いたら、[親戚が送ってきた]と即答された。そして、僕は変な親戚なのだなと激しく思っていたら、橙希に思考を読まれたのかかなり痛いデコピンをされたっけなぁ……



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