〜欠落者と○○〜
★[2話](1/2)

 生徒会室にあるフカフカのソファーに座って飲む紅茶はやっぱり美味しいわね。

「橙希、そのクッキーを一枚くれない?」

 私の言葉に彼は頷いてチョコチップクッキーを一枚渡してくれた。
このクッキーは手作りで、もちろん作ったのは橙希だ。
身長178cmもある男の人がクッキーを作っている姿なんて普通は想像できないだろうけど、私には簡単に想像ができる。
だって橙希にお菓子の作り方とかをたまに教えてもらうから。

「橙希の作るクッキーは美味しいわね。近くのコンビニとかにあるクッキーがまるでパンの耳のようだわ」

 大袈裟な言い方だけど、橙希の作ったお菓子を食べるとあながち嘘だとは言えなくなってしまう。
それ程までに美味しいんだもん。

「また作るか?」

 橙希が聞いた瞬間に、

「できればチーズケーキを」
「僕はチョコレートケーキがいいな」

 私とタレパンダの声が被ってしまった。
タレパンダも橙希の作るお菓子が大好きなのだ。
って生徒会会員はみんな甘党なんだったような気がする……。

「両方は無理」

 橙希がそう言えば、

「タレパンダは諦めなさい」

 と、私は即座に反対を許さぬ声でタレパンダに返した。



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